「開発提供公園」が抱える課題
住宅地内の公園は、子育てや子ども遊び、高齢者福祉、予防医療、防災、防犯、景観形成といった様々な観点から、そのまちの質の向上に寄与する共有の財産として整備・活用していくことが期待されます。一定規模以上の住宅地開発の際、開発者は開発面積の一定割合を公園とすることが制度的に義務づけられており、多くの場合がその後行政に移管されます(いわゆる「開発提供公園」)。しかし、開発提供公園では、行政が定めた設置要綱に則って必要な遊具などを設置するだけの画一的なデザインが多く、整備後に公園の担い手となる地域住民をサポートする仕組みもありません。そのため、多くの開発提供公園では、地域住民に十分に利用されているとは言い難い現状があります。地域住民・開発会社・NPO・大学研究室・行政が連携
積水ハウス株式会社はこのような開発提供公園の課題に対して、NPO法人パブリックスタイル研究所(studio-Lスタッフもメンバーの一員)や大阪府立大学・立命館大学の研究室と連携し、地域住民が公園を使いこなすためのワークショップや公園での試行プログラムを展開しています。大阪府岬町の「リフレ岬」では、2008年から住民が地域の公園でこれまでできなかったようなプログラムを、NPOや学生のサポートによって実施しています。初年度に「自然素材を使ったクラフト教室」などを実施し、その実績をもとに、2年目以降はキャンドルナイトやバウムクーヘンづくりなど、普段は条例で制限されている火を使ったプログラムも行政が許可してくれるようになりました。段階的に住民主導の取組へ
「リフレ岬」では、NPOや大学研究室から運営のノウハウを移転し、年々地域住民主導の取組へと進化してきています。また、滋賀県彦根市の新規開発の「コモンステージ彦根東」では、入居前段階から公園予定地で入居予定者が交流できるプログラム(自己紹介ゲームや記念植樹、ピクニックなど)を実施しています。このプログラムを通じて、初代の自治会長候補が見つかるといった効果も出ており、まち開き後のコミュニティづくりを見据えた新しい形の仕掛けとなっています。








